3月にアフガニスタン難民の子どもたちに靴を配りに行かれた、藏永 薫氏(鳥取県国際交流財団勤務、とっとり青友会会員)からのメッセージです。

アフガニスタンの子ども達

アフガニスタンでは米軍が落としていった爆弾の破片が地雷撤去の妨げとなり、不発弾が新たな地雷源となっていて、地雷撤去も難航しています。一日に12人の人が犠牲になっています。1月に東京で開かれたアフガニスタン復興会議で決められた、海外からの援助金45億円の今年度の入金が遅れているので政府の人材維持もままなりません。政府運営費が80%、緊急復興事業費(学校建築、道路、医療に充てられる費用)が91%不足しています。忘れられた難民の国、アフガニスタン。国際社会が助けなければ、自力ではなかなかです。 パキスタンのアフガニスタンとの国境近くにある都市クウェッタ。ここに、アフガニスタンの少数民族ハザラ人が1979年のソ連侵攻後から住んでいます。そこではアフガニスタン難民によるNGOが活動していて、学校や、病院の運営がされています。予防薬が有れば、かからずにすむ病気も、経済的な理由で防ぐことが出来ません。 そこの学校に通う20歳前後の生徒達が言いました。 「もし、私たちを支援して下さるというなら、私たちの国に学校を建てて下さい!私たちは自分たちの国で勉強したいのです。」「私たちは自分たちの力で国を再建したいのです。でも、どうしたら出来るのでしょう?どうか、いい方法を教えて下さい!」 ほとんど叫ぶように放たれたこの言葉に何とか答えてあげたい。何か出来ることをしてあげたい。それは私個人で出来ることではない。それならば、どうしたらいいか? 私たち外国のものが、遠い国の人を支援する方法の一つとして、現地NGOの活動を知り、そのNGOを金銭的、物質的に支援することがあげられると思います。 必要なところに必要なものを配る。それも充分な調査が出来る現地NGOならできることです。そういうところにお金を送れば確実に有効な支援が実現します。 今、現地NGOの一つ、「チャーチ・ワールド・サービス・パキスタン支部」はアフガニスタン国内のNGOと協力して、アフガニスタン国内の学校に机、椅子、学校教材を配る事業に着手しています。 そのチャーチ・ワールド・サービスを日本から支援しているNPOが大阪の「アジア・ボランティア・センター」です。現地の要望に応え、今年3月に日本中から子どもの靴を集めてアフガニスタン難民へ配布しました。配布先はチャーチ・ワールド・サービスが調査して、あらかじめ引換券を配った家庭に他の配給物資と共に手渡しました。 今回アメリカの空爆から非難してきた人たちは着の身着のまま、子ども達の多くは靴を履いていません。国境を越え、難民キャンプにたどり着いた子どもの半数近くは、現代では死に至ることの無いような、何ともない病気にかかって亡くなっています。生き残った子ども達もこのような環境で育って、この先の人生に良い影響を与えるとは思われません。内科、外科の医者の支援活動は聞きますが、精神科医の活動はごく少数と思われます。 まだまだ、これからも復興までは先の長いアフガニスタン。国際社会の一員として目を向ける努力を続けていきたいと思います。

とっとり青友会 藏永 薫

ここに展示の写真は、3月にNPOアジアボランティアセンターの呼びかけに応じて、パキスタンのクウェッタとチャマンへ、視察を兼ねた子どもの靴の配布事業に加わった時に撮影したものです。


アジア・ボランティアセンター

代表:平田 哲  氏 アジア各地へスタディーツアーを行い、草の根的な支援をしている特定非営利活動法人。 現地には必ず、提携しているNGOの存在があり、連携して支援をしています。 アフガニスタン難民への募金を受けています。 郵便振込先:00930−1−119782 銀行口座:UFJ銀行阪急梅田北支店(普通)5371964 名義:アジアボランティアセンター代表 平田 哲